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エッセイ

私はここ数日、メディアが報じる2つの出来事に強い関心を持っている。
1つは、「遠隔操作ウイルスに感染したパソコンから犯行予告が書き込まれた事件」。
2つ目は、「週刊朝日(10月26日号)が日本維新の会代表の橋下徹大阪市長の出自を題材とした連載記事を掲載した問題」である。

1つ目の事件は、パソコンの遠隔操作といった新たな手口の犯罪である。結果、誤認逮捕が複数発生した。この複数の逮捕された方々に対する取り調べに関しては、問題があると指摘されている。逮捕といった法を執行させるに至る経緯は、警察、検察もこれまでの手続きを踏んでのことであったが、それが誤認逮捕であったわけだ。そこで、謝罪は当然であるし、真犯人の捜査に真剣に取り組んでいる。

次の「週刊朝日(10月26日号)の橋下徹大阪市長に関する連載記事の掲載問題」も発売からわずか4日で連載中止が発表された。そして、週刊朝日を発行する朝日新聞出版と親会社の朝日新聞社は、橋下徹大阪市長に対して謝罪を行っている。
ただ、この連載記事は、「東電OL殺人事件」等の出版で著名なノンフィクション作家、佐野眞一氏と取材班が執筆したものである。いわゆるライターも実名ではっきりしている。今後は佐野眞一氏の責任の取り方も取りざたされるかもしれない。いや、すでに橋下大阪市長は、(如何に名の売れたノンフィクションライターの執筆したものであろうとも)それを充分に検証しなかった週刊朝日を批判している。


そこで、何故、私がこの2つの出来事に特別の関心を持ってきたかである。
そう、私のブログを愛読いただいている方にはお分かりであろう。

2011年5月17日に1通の匿名のメールのみで、何の手続きもせず、検証することもなく、「医療法25条の1」によって、素人に毛が生えた様な市職員によって行われた、当院への抜き打ちの立ち入り監査の件である。
結果は、当院に何の落ち度もないことが判明。そこで、監査を行ったお役人、「何もなかったから、よかっですたい」と。何と失礼なことか...。

その後、再三にわたって、その「匿名メール」を受け取った県当局とそれを受けて監査を実施した市当局に、それも県知事、市長名で、たった1通の匿名のメールのみで医療法に基づいた抜き打ち監査を行った根拠について問い正し続けた。1年以上経過して釈明どころか、何の謝罪もない。そのことについては、これまでこのブログに詳細を公表している。
が、何の反応もない。
先の2つの出来事、1つは取り調べの段階で問題があったにしろ、捜査、逮捕に至るまでの通常の手続きは踏まれ、調書などの資料は存在しているはずだ。また、週刊朝日の場合は、問題の連載記事のライターは明らかである。だが、橋下氏は、週刊朝日の検証のあり方を批判している。
当方の「匿名のメール」の場合、何の手続き、議事録、検証されたものはない、と。これは長崎の行政側から正式に回答を得ている。
加えて、その「匿名性」は個人情報保護条例なるもので守られているそうだ。

おかしなことだ。せめて、長崎県知事も長崎市長も、誤認逮捕、週刊朝日の件と2つの出来事の様に、まずは先に述べた様に謝罪から、といった行為もとれないのかな。
何か小学生を諭している様である。

そんなことで、今回、一連のこの訳の分からない長崎の出来事を本にまとめて出版することにした。
タイトルは「65歳の戦~生業は精神科医~」である。
2012年11月には書店で購入できる。
是非、ご購読を!