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  4. 別にイチローのファンではないのだが・・・続き

エッセイ

前々回、オンリーワンが嫌いだけど、友人、チームメイトのオンリーワンを尊重するイチローについて触れてみた。これからは、その後日談である。

そんなイチローだって、母国でプライドをもってプレイする、それこそオンリーワン達を取りまとめ、気配り、気疲れしたためか定かではないが、胃潰瘍(神経性?)になり大リーグには出遅れてしまった。そして一方で、現代社会は"オンリーワンがいい"といっても、社会や組織の秩序を維持するためには、酒に酔って全裸で東京都心を徘徊するオンリーワンの草なぎ君(SMAPメンバー)を放任するわけにはいかなかったのである。

要するに"オンリーワンがいい"、それは個々の個性を評価すること。でも、その個性は、各々異なり、多様であることも認めなければいけないことになる。しかしそうなると、集団(社会、組織)を維持し、機能させることは容易ではない。
昔の村共同体では、ハレの時、貴重な酒が振舞われ、そこでたまたま酔って乱れた、日頃善良な村人は、他の村人たちによってかばわれ、介抱されていた、というある意味、文化というか、風土があったはずである。

だから"オンリーワンがいい"とか、"個性豊か・・・"などと軽々に主張すべきでないということだ。前々回にも述べたが、自らが招いた学級崩壊にうろたえる今日の教育界は、その理解が欠落していた、といわざるを得ない。
ただ、このほんの一ヶ月の間に、まったく極端に異なる言動でイチローとSMAPの草なぎ君が、その個と集団のあり方の難しさを伝えてくれた。面白い!

そうそう以前、地元長崎大学経済学部に講演に来られた優秀な方だが、最後に少し日本の金融界のカジ取りとひき際が話題になった、前日銀総裁がその"オンリーワン"を講演の中でお勧めになっていた、という新聞報道を記憶している。

これからの日本はどうなるのだろう・・・か。