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夢のまた夢!その後

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(月)

02月

エッセイ

2011年1月下旬、長崎県精神科病院協会経由で、長崎県障害福祉課長より次のような依頼文が送付されてきた。

『「障害者差別にあたると思われる事例募集」の実施について(再依頼)』と。
再依頼だそうだ。文面によると、昨年10月から12月にかけて募集を行っていたそうである。私もそれには気づいてなかった。
しかし、募集の結果が同様の取り組みを実施している他県の状況と比較すると応募数が少ない状況にあり、再度募集を行うために関係機関、団体に再依頼をかけたとのことである。
思い当たることがある。依頼を受けた関係機関の一員として協力せねばなるまい。応募規定で字数は400字以内である。以下のようにまとめて投稿した。

『昨年からの教職員の不祥事に対して、長崎県教育長はその対策として専門家会議を行うとし、そのメンバーに医師は心療内科医を起用するとのことである。
だが、県下には心療内科医はいない。それに一連の不祥事に対して何故心療内科医なのか、私には理解できない。多分、不祥事とメンタルヘルスの関係について意見を求めたいのだろう。とくに一連の不祥事はわいせつ行為、窃盗、飲酒運転などと犯罪であり、司法精神医学の知見、さらに不祥事に常習性があったら依存症問題を視野に入れた検証も必要だ。加えて、こんな不祥事の背景にある問題として教職員の精神科疾患の増加、それに子ども達の心の病についての対処法も検討しなければならない。そんな全ての課題に関わるのは精神科医である。ここで私は県教育長の見識を疑う。それは精神科医軽視、精神科医療への無理解、それ即ち精神科医に掛かっている精神障害者、精神科疾患の方に対する偏見、差別に他ならない。』と。
399字であった。そのために"すなわち"を"即ち"と漢字で表現した。

投稿後、数日経ってのこと、地元新聞の知己の記者から、現在取材中の事件の加害者の対人関係の歪みに関することと、彼に対して精神科的なアプローチの必要性について問い合わせがあった。その件の回答に加えて、『「障害者差別にあたると思われる事例募集」の実施について(再依頼)』にふれ、投稿内容を添付して、よかったら、貴社の読者の欄"みんなのひろば"への掲載をお願いしてみた。
彼は有能な新聞記者である。長崎県教育委員会に確認をした上で、担当部署に回している。私の障害福祉課の依頼で投稿した内容は、今度は字数の制限がないので"即ち"を"すなわち"とひらがなに変えて、2011年2月5日(土曜日)の地元新聞"みんなのひろば"に「教職員不祥事対策に疑問」と題して掲載された。

ところで、記者が長崎県教育委員会に確認をしたこと、それは心療内科医の件である。そこで、長崎県教育委員会は「心療内科医ではなく精神心理学の専門家」と回答したそうである。これはただごとではない。私たち県民は、複数のメディアの報道を通して、寺田長崎県教育長が「専門家会議を開催...心療内科医を...」と語ったのを知っている。誤報なのかな? いやいや、そんなはずはない。それに「精神心理学」といった学問分野は聞いたことがない。辞書、辞典を開いて調べてみた、ネットでも検索したがない。つまり、長崎県の教育に携わる、それもその中枢におられる方々が、「虚言」と「造語」である。
子ども達に「嘘はついてはいけません」と、そして、「最近の若者言葉は困ったものだ。正しい国語、美しい日本語を...」と日ごろおっしゃっているのは、どなたかな?

地元選出の文部科学大臣殿、
「日本相撲協会のことで大変でしょう...でも、以前にもふれましたが、国家の一大事ですか? お怒りなら、公益法人取り消しで一件落着!それより長崎県の教育環境は一大事、異常事態ですよ。県教育長らの一連のトンチンカン発言が、悪夢であってくれるといいのですが...。」

また、因みにあれだけ他県並みにと再依頼をしてきた障害福祉課から、私の投稿を受理したのか、受理しないのか、何にもご返事がない。お役所のやることはよく分からない。