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説得より納得・その2

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エッセイ

2012年4月28日の地元新聞始め、各紙は「女子生徒に性的暴行、県教委:県立高校教諭を懲戒免職」と報じていた。さらに県教育長方針として、被害者家族の許可は得たが...懲戒免職ながら、その教諭名は公表しない(匿名)そうだ。

当方が昨年5月17日に受けた匿名のメールによる抜き打ち監査の問題について県に釈明を求め続けている。これも、匿名のメール発信者(団体)は虚偽告訴罪にあたり、これを個人情報保護法を盾に公表しない長崎県、長崎市は犯人蔵匿及び証拠隠滅罪に問われかねない。
何れも身内をかばう長崎県政か、と言いたくなる。

教職員の不祥事に関しては、昨年だったか地元新聞の「みんなの声」の欄にも私は投稿している。その後も多忙な知事が新任教職員に訓話の時間を設けたり、対策会議では弁護士に意見を聞いたりと、どこか的外れである。
確かにこのような問題には特効薬はない。ただ、一言で言えば「説得より納得」である。説得に多くに時間とエネルギーを注いでも関係者が消耗するだけである。一方で「納得」してもらう(する)には、根気がいる。継続が肝要だ。しかし、それが人を教育する根幹ではないだろうか。

2012年4月11日、地元新聞の「ルポ日本新景」という記事で、東北の被災地で行われている"哲学カフェ"なるものが紹介されていた。面白そうだ。早速、ネットで検索してみた。
哲学カフェは、1992年にマルクソーテという人が「カフェ・デ・ファール」で始めている。よって発祥地はフランスだ。その後、活動に共感する人々がパリを中心に活動を広げ、現在はフランス国外へと広がっている。日本でも哲学カフェを開いている人たちがおられるそうだ。
内容は、哲学カフェに決まった定義があるわけではない。ただ、共通するのは、進行役がいて、テーマを設け、その場にいる人たちが話して聞いて考えるというシンプルなもの。よって、主催者や進行役によって雰囲気が違ってくる。徹底討論する、じっくり対話を進める、その場でテーマをつのる、進行役がテーマを提示する、哲学の知識・歴史をフル活用する、日常経験を活かす、などなど様々のようだ。
哲学カフェはケンケンガクガクの議論というより、<話す―聞く>を丁寧に積み重ねてじっくり考えることが多い、とのこと。それでも進行役の個性や場所の雰囲気によって違っており、色んなカフェに参加して進行役の個性や違いを味わうのも、哲学カフェの楽しみ方の1つだそうだ。

そして、哲学カフェには決まり事がある。

哲学カフェでは以下のことを守る。
・発言してもしなくても自由。
・途中参加・退出自由。ただし人数・テーマ内容により制限する場合がある。
・哲学カフェは特定の考え・思想を参加者に強要するものではない。
参加者は次のことを守っていただく。
・発言は最後まできく。
・信条を一方的に述べて押しつけることは控える。
(その他必要に応じてルールを追加することがあります。)

当院で30数年間、毎火曜日(18時45分~20時)に続けている夜間集会も哲学カフェに仲間入りできそうだ。

そうそう、最近、10年ほど前にその夜間集会に参加されていた方から便りをいただいた。それこそ、個人情報保護を配慮して紹介したい。

『西脇先生、こんにちは。10年ほど前、西脇病院のGA(ギャンブル・アノニマス)や夜間集会でお世話になっていた吉田勝郎(仮名)と申します。ギャンブル依存症です。主治医は黒崎先生でした。その節はたいへんお世話になりました。おかげさまでスリップは一度もなく、ギャンブルをやめて今日で丁度10年になります。自助グループ、夜間集会、これがなかったら私はまたギャンブルに手を染めていたと思います。しゃべるだけで不思議と欲求が無くなる、本当に不思議な会でした。夜間集会では西脇先生によくご指名をいただいていました(笑)!ありがとうございました。
長くなりましたが、私は現在、仕事も順調です。今年で○×歳になりますが、職場よりの派遣で4月から中央の研究機関に在籍し、研究テーマも決め、将来はその研究テーマを通して新たな資格を取得して、今後、これまでの仕事に生かしていこうと思っています。(以下略)
西脇病院のスタッフの皆様にはたいへん温かく支えていただきました。またお世話になることも無きにしも非ずですが(笑)、今後ともよろしくお願い申し上げます。黒崎先生、三谷さんはじめスタッフの皆様方によろしくお伝えください。長文、申し訳ありません。ブログの更新、毎回楽しみにしております!』

これなんだよね!「納得」とは...。